契約不適合責任を基本から学ぶ
群馬のアパートを売却した後、
「契約書に書いてある内容と実際の物件が違う」
このような場合に、売主が責任を問われる制度が「契約不適合責任」です。
中古車で例え話
中古車販売店で、
①修復歴なし
②走行距離8万km以内
③エンジン良好
の条件で車を購入したとします。
契約書や説明でもそのように約束されていたのに、引き渡し後に整備工場で調べたら、
- フレーム(骨格)に大きな修復歴があった
- 走行距離が実際には12万kmを超えていた
- エンジンに重大な不具合があり、すぐに故障する状態だった
買った車は「契約で約束された品質・状態に適合していない」ことになります。
このとき、販売店(売主)は買主に対して責任を負い、以下のいずれか(または複数)に対応しなければなりません。
- 修理する(追完請求:不具合を直す)
- 新しい車(または同等の車)と交換する
- 修理できない場合、代金を減額する
- 損害が出た分をお金で賠償する
- 不具合が重大で使い物にならない場合、契約を解除して代金を返す
アパート売却での契約不適合責任
アパート売却/引き渡し後に、
契約書に「雨漏りなし」「設備はすべて正常稼働」と記載されていたのに、引き渡し後、雨漏りが発生したケース。
これも「契約内容に適合していない」ため、
売主は修繕費用を負担したり、代金の一部を返したりする責任が生じます。
旧・瑕疵担保責任との大きな違い
- 昔の「瑕疵担保責任」では、「隠れていた欠陥(見えなかった欠陥)」に限られていましたが、今は「約束と違うなら、隠れていなくても責任を取る」というルールになりました。
- 買主は、不適合を知ってから3か月以内に売主に通知する必要があります(売主が一般人の場合)
- 契約書で「責任を負わない」「期間を短くする」などの特約を入れることも可能ですが、消費者契約では制限がかかる場合あり。

以前の瑕疵担保責任では
「隠れた欠陥(通常では気づけないもの)」
だけが対象でした。
しかし現在の契約不適合責任では、
- 隠れているかどうか
- 古い建物かどうか
は関係ありません。
契約書や説明内容と違っていれば責任対象になります。
そのため、売主にとっては
「何を説明し、何を契約書に書いたか」
が非常に重要になりました。
アパート引き渡し後で実際に起こりやすい不適合例

初心者の売主さんが特に注意すべき例です。
- 雨漏り・漏水の履歴があったが説明していない
- 給湯器・配管・電気設備の不具合
- 境界や敷地面積の相違
- 使用できるはずの設備が使えない
- 法令違反や用途制限の見落とし
- 心理的瑕疵があったのに、説明していない
「古いから仕方ない」は通用せず、
説明不足=契約不適合になる点が要注意です。
買主ができる5つの請求内容
契約不適合が認められると、買主は以下を請求できます。
- 修理・補修の請求
- 売買代金の減額請求
- 不足分の引き渡し
- 契約解除(重大な場合)
- 損害賠償請求
特に群馬のアパートの場合、
修繕費+家賃損失まで請求されるケースもあり、
売主にとっては大きなリスクになります。
①修理・補修の請求
買主は、まず「不適合部分を直してほしい」と請求できます。
例:アパートの屋根から雨漏りが発生し、契約では「雨漏りなし」と約束されていた場合、買主は売主に対して「屋根の修理をしてください」と請求します。
売主は原則として自費で修理(追完)しなければなりません。
売主が不相当な負担でない限り、買主の希望する方法で直す義務がありますが、売主は代替方法(例:部分修理で十分な場合)を提案できることもあります。
②売買代金の減額請求
追完(修理)ができない場合、
または買主が相当の期間を定めて修理を催告したのに売主が応じなかった場合、
買主は不適合の程度に応じて代金の減額を請求できます。
例:アパートの複数部屋で給湯器が故障しており、修理費用が数百万円かかる場合、買主は「修理が難しいなら、その分の代金を減額してほしい」と請求します。
減額額は不適合の程度(修理費相当など)で決まります。
③不足分の引き渡し
数量が不足している場合に、不足分を追加で引き渡すよう請求します。
例:アパート売却で「駐車場10台分付き」と契約していたのに、実際は8台分しかなかった場合、買主は「残り2台分の駐車場スペースを引き渡せ」と請求できます。
ただし、不動産では数量不足は土地面積の誤差などで稀ですが、付帯設備(例:エアコン台数不足)の場合に該当します。
④契約解除(重大な場合)
不適合が重大で、アパートの目的(賃貸運用)が達成できない場合、買主は契約を解除できます。
- 催告解除:相当の期間を定めて追完を催告し、売主が応じない場合。
- 無催告解除:追完が不可能・拒否が明らか、または不適合が極めて重大な場合(即時解除可能)。
例:アパート全体に深刻なシロアリ被害があり、構造的に危険で賃貸継続が不可能な場合、買主は「契約を解除して代金を全額返してほしい」と主張できます。
解除されると、売主は代金を返還し、買主は物件を返します。
⑤損害賠償請求
不適合により買主に生じた損害を賠償請求できますが、売主に故意・過失(帰責事由)がある場合に限られます。
例:売主が雨漏りやシロアリを知りながら隠していた場合、買主は修理費だけでなく、賃貸収入の逸失(空室期間の家賃損失)や仮住まい費用などの追加損害を請求できます。
単なる不適合だけでは損害賠償は認められにくく、売主の落ち度が必要です。
契約不適合責任の「免責」とは?
「免責」とは、
売主は契約不適合責任を負わない
という特約を契約書に入れることです。
中古アパート売買ではよく使われますが、万能ではありません。
ここからが重要なポイントです。
免責にするメリット(売主側)
① 引き渡し後のトラブルを大幅に減らせる
売却後に「修理してほしい」「お金を返してほしい」と言われにくくなります。
② 売却後の精神的負担が少ない
「いつ連絡が来るかわからない」という不安から解放されます。
③ 古い・ボロ物件ほど有効
築古アパートでは不具合が出やすいため、免責は非常に相性が良いです。
免責にするデメリット(売主側)
① 売却価格が下がりやすい
買主はリスクを負うため、
「その分、安くしてほしい」と交渉されやすくなります。
② 買主が見つかりにくくなる場合がある
特に初心者投資家は免責を嫌う傾向があります。
③ すべてが免責されるわけではない
以下は免責しても責任を問われる可能性があります。
- 故意に隠した不具合
- 虚偽(ウソ)説明
- 重要事項説明での説明漏れ
「黙っていればバレない」は、後で大きなトラブルになります。
免責を使うときの正しい考え方
免責は
「説明しなくていい」制度ではありません。
正解は、
きちんと説明したうえで、責任だけを免責する
です。
そのために重要なのが、
- 物件状況報告書を正確に書く
- 不具合や修繕履歴を正直に記載
- 契約書の文言を曖昧にしない
この3点です。
初心者売主がやるべき実務チェックリスト
✔ 契約書の「契約不適合責任」条項を確認
✔ 免責の有無と範囲を理解
✔ 重要事項説明書と内容が一致しているか
✔ 修繕履歴・不具合履歴を整理
✔ 不安があれば専門家に事前相談
これだけでも、
群馬のアパート売却後トラブルの確率は大きく下がります。
まとめ
契約不適合責任は、
知らなかったでは済まされない制度です。
特に初心者の売主さんほど、
- 内容を理解しないまま契約
- 免責の意味を勘違い
- 説明不足によるトラブル
に陥りがちです。
「説明は丁寧に、責任は整理する」
これが、
群馬のアパート売却を成功させる最大のポイントです。



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